通勤路

仕事帰りに好きな娘と一緒に帰りたくて、そうは言ってもお互い車通勤なので
駐車場までのほんの徒歩1分の道のり。
短い距離だからこそ、彼女も警戒することなくタイミングさえあれば一緒に
歩いて軽い会話も交わすことができる。
そんな些細な楽しみのために、悟られないように帰るタイミングを合わせてる。
実際は見え見えの下心はとっくに悟られているのかもしれないけれど。


帰りは同時に仕事が終わるのでタイミングを合わせることもできるけれど
朝の出勤時はさすがに無理。
しかし会社近くのコンビニに立ち寄ったら、たまたま彼女と会った。
雑誌を立ち読みしてるところを彼女の方から挨拶してきた。


姑息に帰り道を合わせたりしてるくせに、本当の偶然で会ってしまうと
意味もなく妙に気恥ずかしい。
朝から雑誌を立ち読みしてるところだったし。
エロ本じゃなくてよかった。


昼休み、弁当を食べながら仕事仲間たちと会話してると、彼女の方から
「エロ本でも買ってたんですか?」とからかってくる。


「僕が毎月買ってる快楽天って本の発売日はもう少し後で・・・」
「いやあああ、エロ本の詳しい情報なんて聞きたくないー」
話をさえぎられてしまった。
冷たい目で見られる。
女の子に軽蔑の眼差しで見られるのは嫌いじゃない。
でも「気持ち悪い人」くらいまでならいいけど、「関わらない方がいい人」
までになったら困るので、そういう冗談も程々にしておこう。


話の流れで「毎月買ってる」とか言っちゃったけど、実際は快楽天
年に3回くらいしか買ってません。