大規模停電の思い出

何とかプロ野球の強行開幕は回避された様子。やれやれ。
それでも結局どこかで首都圏ナイターを開催しそうな雰囲気で
なんとかならんものか。


計画停電の対象外だからといって、のん気に電力を使ってたら
やがて許容量を越えて予期せぬ大規模停電の可能性もある。
数万人入ったスタジアムでそんなことになったらどうするんだろ。




1987年7月23日午後1時19分、関東広域で大規模停電が起こった。
日付までは覚えてなかったけどWikipediaに項目があったので
詳細を知ることができた。
当時中3、この停電を実際に経験した。


かなり蒸し暑い日だったのを覚えてる。


夏休みの序盤であり、平日ゆえ社会人は昼休み明けの時間。
猛暑によりエアコンなどが一斉に電力を消費し、供給が追いつかず
1都5県で大規模停電が起こった。
都心は30分程度で復旧したらしいけど、こちらは3時間以上の停電。
発電所から一番遠いところ、つまり静岡県東部から消え始め、
復旧も一番最後だったらしい。


中3の夏休み、前年度は静岡県で準優勝して東海大会まで駒を
進めた我がサッカー部も今年は初戦敗退。
夏休みに入る前に部活を引退できた。よかった、もう最後まで試合に
出られないのが確定してるのに、いつまでもサッカー観戦なんて
していられるものか。
さて、毎日ちょっとずつしか進められていなかったドラクエ2
1日中やりまくるぞ。


ドラクエ1は先にそこそこ情報を知った上でプレイしたので、2は
何の予備知識もなくクリアしてみせる。
途中で完全に行き詰まり、仕方ないのでしばらくはレベル上げに
専念しておこう。
そんな感じで2時間くらい延々と単純作業を続けてた。
FC版のドラクエ2はセーブ機能が無く、52文字のパスワードを
手書きでメモしなければならない。
面倒なので途中でのメモ取りなんてしてなかった。


ドラゴンクエストII

ドラゴンクエストII


ブレーカーが落ちたりヒューズが飛んだりするとテレビがバチッと
消えるじゃないですか。
このときの停電はそうじゃない、電気が足りなくなって末端から
途絶えて行ったのだから、テレビの消え方もそんな感じ。
テレビ画面が中央に向かってどんどん小さくなる。
なんだこれ、斬新なエフェクトだな。
ファミコンにそんな機能ない。そのままテレビが消えちゃった。


何が起こったのか理解できなかった。
どうやら停電らしい。今までやってた作業が水の泡に!
一気に虚脱感。
もう攻略本を買ってきて、残りは手早く終わらせちゃおう。
ドラクエ2に対するモチベーションが停電で吹き飛んだ。


本屋に自転車を走らせると、信号機すらも消えている。
予期せぬ停電だから交通も混乱してる。
そんな状況だというのに本屋は店を閉めていなかった。
本の日焼けを防ぐために、店舗の窓は細い。
店内はかなり暗い。
そんなところでも立ち読み続行してるツワモノもいる。


攻略本を手に取りレジへ。
停電でレジが開かないので、おばちゃんは自分の財布から
お釣りを出してくれた。
「もうアイスが全滅だわー、まいったわ」とか言ってた。


結局ドラクエ2はモチベーションが途切れてしまって続かず、
ロンダルキアへの洞窟あたりで放り出した。
それから7年後、21歳のときにSFC版でようやくクリアした。


ドラゴンクエスト1・2

ドラゴンクエスト1・2


大規模停電の思い出を語るつもりが、いつの間にかドラクエ2
思い出にすり替わってた。
要するに何の準備もできないままの停電は大迷惑ということだ。