三沢光晴

総合格闘技なるものが世に出て15年。
もはやプロレスというジャンル自体、足元がグラついてきてる。
だからこそ。
リング上で人が死ぬなんてことは絶対にあってはならない。


まさかそれが三沢なんて、まだ受け入れることができない。


正直言って三沢ファンだったわけではなく、むしろ25年前からずっと
アンチとして批判してきた。
新日信者なもので、2代目タイガーマスクを全面否定したり、
マスクを脱いで鶴田と激闘してた頃も「どうせ天龍が抜けたから
繰り上げエースでしょ」と舐めてかかってた。
NOAHを旗揚げしてからも団体ごと終始一貫、敵視していた。


それだけ向こう側に回って見てる自分の目から見ても、やっぱり
三沢は現代のプロレスを象徴する一人。
まさかプロレス技を食らって死ぬような人だなんて信じられない。


こうなると結果論を語るみたいになって申し訳ないのだけど
やっぱり「四天王プロレス」と呼ばれる、垂直落下技を受け止めあう
ような激しいプロレスなんてやっちゃいけなかったんだ。
若いうちはそれに耐えても、体へのツケが今さら回ってきたのだろう。


WWEでは脳天から落とす技を禁止し、ジャーマンですら背中から落としてる。
それでいいじゃないか。
話が敬愛する藤波辰爾の言葉を借りるならば、「我々は殺し合いを
やってるんじゃないんだ!」というものだ。
総合格闘技が存在する今、そこまでしなければ凄味を伝えられないのだと
しても、そんな方法は進むべき道じゃないと思う。
もう誰も死なないで欲しい。