日ハム東京最後の日

さよならセレモニー

'82年、初めて見に行ったプロ野球草薙球場で行われた
日ハム×横浜大洋のオープン戦だった。
江夏の直筆サインボールを買った。
'89年、たまたまチケットを貰ったので、夏休みに電車に乗って
東京ドームまで日ハム×ロッテを見に行った。
嶋田信敏がサヨナラヒットを打った。
'90年、2000本安打に王手をかけた大島を見に東京ドームへ。
大島はその日には打たなかったのだが。
'92〜'95年、東京ドームまで電車で200円程度のところに住み、
何度もドームに通うようになった。
'96年から実家に帰っても、電車に乗って何度も何度もドームに行った。


そんな東京ドームでの日ハム戦も今日が最後。来年からは札幌に移転してしまう。
幼なじみの娘が、親の決めた縁談で遠くへ嫁いで行く心境だ。
ハムファンになって21年、東京ドームに通って14年。
最後のお別れは誰にも邪魔されたくないから、あえて誰も誘わずに一人で行った。
観戦友達の一人にも誘われたものの、2階でひっそり見たいという人だったから
あえて断って僕は外野に行った。
2階席からの観戦もよくしたものだが、最後の日は外野席から精一杯の声で
最後の応援をしたかった。


試合が終わった。「ありがとう東京」なるセレモニーも感動的に行われた。
撤収作業が始り、残ってたファンたちも球場を去る。
終わったのだから僕も帰ればいいのに、ここから出て行くのが嫌だ。
出て行ったら終わってしまう。
高校の卒業式の日に、みんな帰った後も校舎内をうろうろしてたことを思い出す。
日ハムの試合は来年も東京で開催される。当然ながら球団も球界から消滅する
わけでもなく、何も悲しむことはないのだ。
悲しむ必要はないのに、何故か悲しい。やっぱり僕は日ハムが好きだ。
誰にも理解されなくたって、笑われたって、日ハムを見続けてきてよかった。