白線流し二十五歳。こういう、連続ドラマの数年後な話はわりと好きだ。
18才の面々が25才になって、当時には無かった壁にぶつかる話。
そう思ってみてたけど、あんまり面白くなかったのは元の白線流しを見てなかった
せいなのかな。思い入れも無いし。


しかしまあ、僕も高校出てから12年。多少は当時の仲間に会うこともあるけど
じっくりとみんなで集まって話したらどんな会話になるのだろう。
みんな既に結婚したり、長く会社勤めして安定してたりするんだろうな。
うらやましくもあり、逆に自分がまだ落ち付いてないことにホッとしたり。


18才の頃に何を考えてたかを思い出してみると、会社から適度な給料を貰って
それなりの週末を過ごして、「なんか面白いこともないけど、まあ人生ってそんな
もんじゃないの」と納得しちゃう、そんな雑多な大人にだけはなりたくなかった。
今はとりあえずそうはなってない。よし、今の僕は18才の僕を裏切ってない。


そんな納得できる生活でないのも事実。この12年間で何も成し得てないのだ。
呑気に謙遜してられる余裕のある年齢でもないから言うなれば、自分の才能なら
才能を切り売りして収入を得て名前を売ることもできただろう。
でも持ち前の臆病さが祟ってか、まったく動いてない。何も始めてない現状。


夜中に泥酔したチャット仲間にそのへんを指摘された。
「お前より才能もない連中が報酬を得てる事実を悔しく思え」と。
ああ痛いところを突かれたものだ。自分でも気付いてた事実を他人に指摘されると、
殊更にうだつの上がらぬ自分を恥じてしまう。
そりゃ好きな娘だって愛想を尽かして離れて行くわ。ああ何もしてないのだから、
彼女から見れば僕には何も無いのだもの。
何かを持ってる僕ならば、彼女から見たって離れがたい何かを兼ね備えてること
有り得ぬ話でもない。


このへんが勝負の時期なのだろう。
次の誕生日まで2ヶ月と4日。とりあえずそこまでで何か成し得られるだろうか。
いや、無理にでも成し得なければならないのだ。求めよ、されば与えられん。
そろそろ動かなきゃ一生動けなくなる。そんな気がする。