不惑

四十にして惑わず、とうとう40代突入。
子供の頃に思ってた40歳という年齢は、野球選手が引退する頃合いであり
人生の一度目の終了ってイメージだった。
自分が到達してみたら、終わりどころかまだ始まってもいない。


20や30になるときはショックで重たい気分になったけど、40になった今は
不思議と自然に受け入れられてる。
2年前に38になったときに「もうすぐ40だ、どうしようどうしよう」と
散々苦しんだので免疫ができてたかな。


2年前は無職で、1年前は1ヶ月の短期バイトを終えたところ。
そして今年はその短期だったはずのバイトが何故か続いてて1年を経過し、
気付いたら職場でも古株になってきた。




バイト先でみんなに「今日誕生日、40になったよ!」と無駄に言いふらしてたら
女の子たちが飴玉をくれる。
その程度でもわりと嬉しい気分でいた。


だが想定外だったのは、バイト仲間の女の子の中でも一番若い子が
「お兄さんってビール飲みます?焼酎とかの方がいいですかね」と聞いてきた。
昼休みに外に出たついでに、誕生日プレゼントに買って来ようかと思ったそうだ。
わざわざ購入しようと思ってくれるとは。
アルコール一滴も無理な下戸だけど、喜んで飲み干して倒れてみたいところ。


下戸だと言ったら「じゃあケーキとかの方がいいですかねぇ」とか言ってくれる。
「え、手作りのケーキ!?」
「何言ってるんですか、黒焦げのケーキでもいいって言うなら作ってあげますけど」
調子に乗ってそんな会話。


料理下手な女の子の作る黒焦げのケーキなんて、アニオタにとっては究極の漫画メシ。
本当に食べられるものなら食べてみたい。